会社設立の流れを徹底解説!設立時の手順と設立後の手続き14ステップ
「会社を作りたいけれど、何から始めればいいの?」
「手続きが多そうで、自分にできるか不安⋯」
とお悩みではありませんか?
会社設立は、初めての方にはハードルが高く感じられますが、ポイントを押さえればスムーズに進めることができます。
そこでこの記事では、「会社設立時と設立後の手続きの流れ」を初めて会社設立する方にもわかるように、それぞれ7ステップずつ詳しく解説します。
法人化を目指している方や、初めて会社設立に挑戦する方は、ぜひこの記事を参考にしてくださいね!
会社設立とは事業を法人化する手続き
「会社設立」とは、事業を法人化する手続きのことです。
法人化することで、
- 個人事業主と比べて信用力が向上する
- 取引先の拡大や資金調達が容易になる
などのメリットがあります。
特に、社会的な信用が必要な取引きや、大規模な事業展開を目指す場合には大きな効果を発揮します。
一方で、会社を設立すると、手続きや費用が発生するだけでなく、 設立後には税務申告や労務管理といった法的義務も課されます。
そのため、事前に必要な手順を理解し、十分な準備を行うことが成功への鍵となります。
この記事では、主に株式会社の設立について詳しく解説します。
合同会社の設立手続きについても大まかな流れは共通していますので、参考にしてください。
会社設立の流れ【7ステップ】
会社を設立する際に必要な手続きの流れは、主に次のとおりです。
- 会社の基本事項を決める
- 会社の実印を作成する
- 定款を作成する
- 定款の認証を受ける
- 資本金を払い込む
- 登記申請書類を作成する
- 登記申請を行う
7つのステップをそれぞれ詳しく解説します。
①会社の基本事項を決める
まず最初に、事前準備として会社の基本となる事項を決めておく必要があります。
- 会社名(商号)
- 会社の所在地
- 事業目的・事業内容
- 資本金の額
- 役員構成
これらの事項は定款や登記書類に反映されるため、慎重に決めましょう。
会社の基本事項を最初にしっかりと決めておくことで、後の手続きがスムーズに進みます。
②会社の実印を作成する
次に、会社の実印を作成します。
実印は法務局に登録する印鑑で、登記申請書など重要な書類には会社の代表印を押印する必要があります。
法改正により、2021年2月15日から、法人登記の申請をオンラインで行う場合は印鑑の提出が任意になりました。
ですが、実印を使う機会は多いですので、必ず作成しておきましょう。
印鑑はオンラインでも注文・購入できますが、できあがって手元に届くまでに数日~1週間程度かかるため、作成する場合は早めに注文するようにしてください。
また、実印以外にも銀行印や角印を準備しておくと、会社設立以降の事務作業が効率的になります。
③定款を作成する
定款は、会社や運営に関する基本的なルールを定めた書類で、会社設立時に必ず作成しなければなりません。
定款に記載する内容は、主に次のとおりです。
| 絶対的記載事項 | 絶対的記載事項は定款に必ず記載しなければならない事項。 | 会社名(商号)、所在地、事業目的、資本金の額、発起人の氏名・住所など |
|---|---|---|
| 相対的記載事項 | 法的には記載しなくても問題ないものの、記載がないとその事項について効力が認められない事項。 | 株式の譲渡制限、株券発行の定め、変態設立事項など |
| 任意的記載事項 | 上記の2種類に該当しない事項。定款に記載しなくてもその効力が認められる。 | 株主総会の開催規定、役員報酬に関する事項、配当金に関する事項など |
定款は自分で作成することもできますが、不備を防ぐためにも、定款の作成・認証の代行ができる行政書士や司法書士などの専門家に依頼するのがより確実です。
④定款の認証を受ける
定款を作成した後は、作成した定款を「公証役場」で認証してもらいます。
公証役場とは、公正証書の作成などを行う役所で、全都道府県に設置されています。
紙の定款を公証役場に直接提出するか、電子定款であればオンライン上で認証申請が可能です。
電子定款で提出すれば、直接持参する手間が省けるうえ、印紙税(4万円)がかからないため、最近は電子定款で提出する人が増えています。
なお、合同会社の設立の際は、定款の作成は必要ですが、認証手続きをする必要はありません。
⑤資本金を払い込む
定款認証後、発起人の個人口座に「資本金」を払い込みます。
資本金とは、会社経営を行う際の元手となる資金のことです。
資本金を発起人の個人口座に振り込むのは、この時点では設立登記が完了しておらず、法人口座を作ることができないためです。
払い込む資本金の額は「1円」からでも可能ですが、実際には必要となる運転資金や信用度などを考慮して決定します。
登記申請の際に資本金の払い込みを証明する書類が必要になるため、振込明細書を保管しておくか振込内容が記載されているページをコピーしておきましょう。
なお、合同会社の設立の場合には、資本金の払込み手続きは不要です。
⑥登記申請書類を作成する
登記申請を行うため、申請書類を作成します。
会社の形態によって作成する書類の種類が変わりますので、自身の会社に必要な書類を確認してください。
必要書類には、主に次のようなものがあります。
- 登記申請書
- 定款
- 発起人の決定書
- 就任承諾書
- 選定書
- 設立時代表取締役の就任承諾書
- 印鑑証明書
- 本人確認証明書
- 出資の払込みを証する証明書
- 資本金の額の計上に関する証明書
⑦登記申請を行う
最後に、法務局に登記申請を行います。
登記申請が受理されると、法人として正式に設立されます。
申請後、約1〜2週間で登記が完了します。
法人番号の発行を待つ間に、設立後の手続きの準備を進めることもできます。
会社設立後の手続き【7ステップ】
会社は、設立手続きの後にも多くの手続きが必要です。
会社設立後の手続きの流れは、主に次のとおりです。
- 税務署での手続き(税金関係)
- 都道府県税事務所・役所での手続き(税金関係)
- 年金事務所での手続き(健康保険関係)
- 労働基準監督署での手続き(労災保険関係)
- ハローワークでの手続き(雇用保険関係)
- 法人口座の開設
- 営業許可の申請(必要に応じて)
それぞれ詳しく解説します。
①税務署での手続き(税金関係)
設立後、税務署に「法人設立届出書」を提出します。
また、必要に応じて次の書類も提出します。
- 青色申告の承認申請書
- 給与支払事務所の開設届出書
これにより、税務署に会社の存在を正式に届け出ることができます。
②都道府県税事務所・役所での手続き(税金関係)
都道府県税事務所に「法人設立届出書」を提出します。
自治体によって必要書類が異なるため、事前に確認しましょう。
提出が遅れると税務上のトラブルになる可能性があるため、早めの対応を心がけます。
③年金事務所での手続き(健康保険関係)
従業員を雇用する場合、「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を提出します。
手続きは年金事務所で行います。
社会保険の加入は法律で義務付けられているため、忘れずに対応しましょう。
④労働基準監督署での手続き(労災保険関係)
従業員がいる場合、労働基準監督署で「労働保険関係成立届」を提出します。
労災保険の適用手続きを行います。
この手続きにより、従業員の安全を守る保険制度が適用されます。
⑤ハローワークでの手続き(雇用保険関係)
従業員が雇用保険の対象者である場合、「雇用保険適用事業所設置届」をハローワークに提出します。
ハローワークでの手続きは、雇用保険の適用開始に必要です。
従業員が安心して働ける環境を整えるために重要なステップです。
⑥法人口座の開設
法人名義の銀行口座を開設します。
銀行によって必要書類が異なるため、事前に確認しておきましょう。
法人口座を開設することで、取引先とのスムーズな決済が可能になります。
また、会社の資金管理がしやすくなります。
⑦営業許可の申請(必要に応じて)
特定の業種(飲食業、建設業など)では、営業許可が必要です。
業種に応じた許可申請を行いましょう。
許可が下りるまでに時間がかかる場合もあるため、早めに対応することをお勧めします。
まとめ
会社設立には、設立時と設立後にそれぞれ重要な手続きがあります。
本記事で紹介した14ステップを参考に、計画的に進めてください。
また、専門家のサポートを活用することで、手続きの漏れやミスを防ぐことができます。
これから会社設立を検討している方は、ぜひこの記事を参考に、スムーズな法人化を実現してください。
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